好アクセスの広大な遊休地
1972年の札幌オリンピックの会場となったことでも知られる札幌市南区真駒内。アイヌ語で「背後にある川」を意味する「マク・オマ・ナイ」が地名の語源となったこの地域は、雄大な森林と多様な野生動物が暮らすことでも知られています。ここにはかつて「真駒内スキー場」があり、札幌市中心部から車で約40分、新千歳空港からも車で約1時間というアクセスのよさもあって、ファミリー層を中心に大きなにぎわいを見せていました。現在は遊休地となっているこのスキー場跡地で進められているのが、造林によって自然の森へと帰していく森林整備計画です。
都市生活と自然が一体に
山の中腹からは札幌市街を望むことができるなど、都市の生活と自然が一体となって息づいていることが、真駒内の魅力です。計画の対象となる旧スキー場は約100万㎡にも及び、一部がメガソーラー事業で活用されているものの、そのほとんどは遊休地となっています。多くが天然林で覆われていますが、一部の人工林を伐採して森林更新を行うことでCO2の吸収を活性化させ、健全な森林を育成していく活動を地元自治体や森林組合と連携しながら推進中です。
2024年には地元森林組合と「森林経営委託契約」を締結(2028年度まで)。森林経営計画期間がスタートしました。土砂災害防止にもつながる取り組みでもあることから、地域防災の観点からも意義ある取り組みとなっています。
ゲレンデの森林再生にも挑む
「真駒内スキー場」のゲレンデ部分についても今後、森林再生に取り組んでいきます。札幌市にとっても前例のない活動とのことで、専門家の協力を仰ぎながら森林再生に挑んでいく方針です。
かつてのオリンピックの歓声やスキー場のにぎわいとともに、それらの記憶が確かに刻まれた山々を未来へと受け継いでいくこと、そしてゲレンデ部分を天然の森へと戻していく取り組みは、今の時代に生きる私たちの使命であると認識しております。